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治療・予防歯科

202307/18

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治療・予防歯科

こんにちは、水野歯科クリニックです。 前回、保険診療でよく使われる金属について書かせていただきました。 今回は白い被せ物(保険診療・自費診療)についてお伝えいたします。 前回のお話からの続きになりますが、当院の保険診療の場合 1本だけの被せ物(クラウン・インレー)の場合は 金属ではなく保険で使用できる白いプラスチック(CAD/CAM冠)を使うことが多いです。 (ただし、噛みしめ食いしばりが強い方や適応部位でない方を除く) さて、 保険診療の白い被せ物よりも自費診療のセラミック(ジルコニア)のほうが良いのでしょうか? 私はそうは思いません。 保険診療の被せ物と自費診療の被せ物の長期経過の比較をした研究はありません。 もちろん、長期経過による経年劣化(色の変化)はおきます。 保険診療で使われるCAD/CAM冠は主成分はレジンなので水を吸うため どうしても着色が起きやすくなります。 それがセラミックだと完全な焼き物なのでほとんど水を吸わないので色の変化があまり起きません。 どのくらいで変化があるか? ということを聞かれることもありますが、ホワイトニングと同じで その方がどういう食生活をされているか? 喫煙者か非喫煙者か? コーヒーな紅茶など着色成分を多く含むものを頻回に摂取するか? どの程度の色の変化までを許容できるか? など個人差が大きいためわかりません。 しかし、 金属と比較して 金属の被せものは錆ができるから自費にしましょう 錆がついているので被せ物をやりかえましょう この言葉で患者さんから自費診療を契約したり、虫歯になってもいない歯を削る歯科医師を多数見てきました。 専門家の医療従事者が患者さんに嘘を言ってはいけないと思います。 ただ、 見た目をもっと良くしたいという、ご要望については審美治療となるので自費診療(自由診療)となります。 お口の中で気になることがあればいつでもご相談ください。 愛知県北名古屋市西之保犬井190 水野歯科クリニック 院長 水野敦之

202307/10

保険で使用できる白いプラスチック(CAD/CAM冠)及びセラミックについて
治療・予防歯科

みなさんこんにちは、 水野歯科クリニックです。 今回は被せ物についてお話しします。 使用金属:金パラ という名称は正確には歯科鋳造用12%金銀パラジウム合金の略称です。 歯科鋳造用12%金銀パラジウム合金の組成・成分としては、金12%、パラジウム20%、とJIS規格(JIS適合品)で定められており、 銀50%前後、銅20%前後、その他インジウムなど数%が含まれています。 メーカーによって多少の成分バランス・液相点・硬度など異なりますが、金とパラジウムの含有率に関しては、どこのメーカーでも同一規格となります。 JPメタル [永久保存版] 金パラ(キンパラ)とは何か?基礎の基礎を改めて理解する より https://kinpara-jpmetal.com/blog/aboutkinpara/ 金パラは、写真のように銀が半分以上含まれているので、見た目は銀歯に見えます。 また、日本の保険診療で使用できる被せ物に対しての金属は、 歯科鋳造用12%金銀パラジウム合金 銀合金 純チタン2種 この3種類のみになります。 いずれも銀色に見え、熟練した歯科医師でも削ってみた感触で金属の違いを判別するぐらいです。 こちらの写真のように金を使用した治療の詰め物の色は少し黄色がかっています。 (金を使用する治療は自費診療です) 当院では基本的に銀合金は使用いたしません。 理由は、 ①歯や歯肉に色移りがしやすい。 ②金属の変色が起きやすい。 ③強度が低くもろい 以上のことが挙げられます。 https://www.yamakin-gold.co.jp/yn/wm005_metal/#internal08 ヤマキンニュース【歯科用合金Q&A】銀合金と金銀パラジウム合金について より もちろん銀合金のほうが安いですが、当院では金パラやチタンを使用しております。 金パラについては海外の安いものではなく、 当院では安定した品質で出荷する信頼のあるメーカーのものを購入して使用しております。 株式会社ジーシー(GC)(GCキャストウェル M.C.12%) 当院では通常、金パラやチタンを使用しておりますが、 少しでも安く治療をしてほしい!銀合金をご希望される患者様は、ご相談ください。 窓口で、おおよそ数百円~千円ほどの差になります。(3割負担の方の場合) 保険で使用できる白いプラスチック(CAD/CAM冠)のブログも後日掲載予定です。 分からないことがあればいつでも、お気軽にご相談ください。 愛知県北名古屋市西之保犬井190 水野歯科クリニック 院長 水野敦之

202306/22

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治療・予防歯科

こんにちは、水野歯科クリニックです。 前回、フッ素とフッ化物の違いをブログに書かせていただきました。 今回はそのフッ化物の応用について説明します。 フッ化物応用は主に 1. 全身応用 経口的に摂取され消化管で吸収されたフッ化物が、歯の形成期にエナメル質に取り込まれ、むし歯抵抗性の高い歯が形成されます。同時に萌出後の歯の表面にも直接フッ化物が作用します。WF・フッ化物錠剤・フッ化物添加食塩・フッ化物添加ミルクが含まれます。 2. 局所応用 萌出後の歯面に直接フッ化物を作用させる方法です。フッ化物歯面塗布・フッ化物洗口・フッ化物配合歯磨剤が含まれます。 の二種類があるのですが、日本では局所応用が行われています。 フッ化物の応用 E-ヘルスネット 出典元:厚生労働省 E-ヘルスネット 日本では全身応用の一つである水道水フロリデーションは実施されていませんが、水道水にはフッ化物がもともと含まれており、水道法の上限の範囲で地域によりばらつきがあります。 水道水フロリデーションとは、飲料水中に存在するフッ化物の量を適正な濃度に調整し、その飲料水を摂取することによってむし歯を予防する方法のことです。 今回、東京医科歯科大学の研究により、 水道法の上限の範囲で、水道水中の天然フッ化物濃度が0.1 ppm高くなるごとに、う蝕治療経験を有する子どもが3%少なくなることがわかりました。 水道水中の天然フッ化物濃度が0.1 ppm高いと子どものう蝕が3%少ない。 出典元: 東京医科歯科大学2023.5.24 https://www.tmd.ac.jp/press-release/20230524-1/ 日本においては、1952年から1965年まで京都市山科地区で水道水フロリデーションが試験研究として行われました。その他に沖縄県(1957~72年)および三重県朝日町(1967~71年)でも実施されていたことがあります。残念なことに現在ではいずれも中止されているので今回の研究は少し珍しいものだと思いました。 ちなみに北名古屋市の令和5年度の水質検査結果です。 https://www.kn-suido.jp/file/c1_suisitu_kekka_r5.pdf 出典元:北名古屋市資料より フツ素及びその化合物 水道法基準0.8mg/l 検査場所 北名古屋市中之郷0.06 北名古屋市高田寺0.06 北名古屋市熊之庄0.09 豊山町豊場0.08 ppmとmg/Lはほぼ同義語です。 濃度を示す単位でppmがありますが、これはmg/Lと同じ意味ですか?出典元:ミヤマ株式会社環境分析&リサーチより http://www.miyama-analysis.net/law/2020/06/no21.php 少し少ないように思いました。 お隣の一宮市では 佐千原浄水場     0.11 常念公園(大江)    0.11 今伊勢中保育園 (水質監視局)0.11 弁天公園(神山)    0.08 北方小学校(水質監視局)0.11 定水寺児童遊園    0.09 出典元:令和5年4月 一宮市水質検査結果より https://www.city.ichinomiya.aichi.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/002/111/2304.pdf 岩倉市では 第1水源 辻田公園  0.13 第2水源 自然生態園 0.13 第3水源 大市場児童 0.12 八剱町水源 八剱中児童0.07 東町水源 白山公園  0.13 野寄町水源 野寄児童 0.15 曽野町西水源 竹林公園0.18 曽野町東水源 第七児童館0.17 岩倉団地 団地21棟  0.14   出典元:令和4年度 岩倉市水質検査結果より https://www.city.iwakura.aichi.jp/cmsfiles/contents/0000000/281/R4kensakekka.pdf この調査結果を見て確かに水道水に含まれるフッ化物に二倍近い差があることがわかりました。 しかしながら今回の結果と先ほどの研究結果が完全に一致するとも思えないです。 今後とも研究を続けてほしいと思うことと共に、愛知県でもこのような調査をしていただきたいと思います。 愛知県北名古屋市西之保犬井190 水野歯科クリニック 院長 水野敦之

202306/19

日本の水道水中フッ化物濃度の高低が子供のう蝕の多さに関連
治療・予防歯科

こんにちは、水野歯科クリニックです。 今回はCT写真についてご説明します。 よく言われる歯科用 CT(CBCt)とはなにか? X線で撮影する画像撮影のことですが、通常のレントゲンと違い 3次元で精密に撮影できるため、情報量が圧倒的に違います。 通常のレントゲンでは何もないように見受けられていても、 CTの画像を見ると実は歯が割れていたり、歯の根の治療が不十分だったりと様々なことがわかります。 もちろんほかのことにも使うことができ、 当院ではインプラント治療はもちろんのこと 親知らずの抜歯 自家歯牙移植 治りが悪い歯の根の治療の確認 など様々なことに使用しています。 医科用CTと歯科用CTの大きな違いは撮影範囲と被ばく量とその大きさにあります。 細かい説明をすると 医科用CTはファンビームによるエックス線で束が扇形(ファン)に照射されます。 撮影範囲は頭から足先までと幅広く任意の部位を撮影できます それに対して、 歯科用CTはコーンビームによるエックス線で束が円錐形(コーン)に照射されます。 撮影範囲はもちろん頭から顎までしか撮影できません。 撮影方式の違いにより、ファンビームは基本1周の撮影で1枚の画像しか撮影できませんが、コーンビームは1周の撮影で 数百枚の画像が撮影できます。 コーンビーム方式のおかげで、低被曝、短時間で細かいスライス画像取得が可能となります。 しかしながら、歯科用CTの普及率は20%台とまだまだ普及していません。 また、CTがあっても、 使い方がわからない。 CTの画像読影ができない。 古くて画像が粗くきちんとした診断ができないといった歯科医師及び歯科医院が多数あります。 何かあった場合、日ごろからCTを使い慣れている歯科医院での受診をお勧めします。 愛知県北名古屋市西之保犬井190 水野歯科クリニック 院長 水野敦之 歯科用CT認定医

202306/14

CTについて
治療・予防歯科

こんにちは、水野歯科クリニックです。 みなさん、フッ素とフッ化物の違いってご存じですか? 巷でよく言われている フッ素は猛毒 これ、実は正解です。 ただし、歯科医院で塗られているフッ素はあれはフッ素ではなくフッ化物と呼ばれるものです。 どういうことかというと フッ素という呼称は原子番号9番の元素及び単体のフッ素分子のことです。 元素単体のフッ素は確かに猛毒です。しかし元素単体のフッ素はとても強い酸化作用があり基本的に単体ではほとんど存在できません。つまり他の元素を巻き込んでくっついてしまいます。 このように2つ以上の元素が結びついてできた物資を化合物といいます。その中ででもフッ素を含む化合物のことをフッ化物と呼んでいます。 そして、実はこのフッ化物こそが私たち歯科医院で使用する“フッ素”の真の姿なのです。 一般の方にわかりやすくフッ素塗布と歯科医療従事者は呼んでいますが フッ素とフッ化物は大きく違います。 歯科医院で使われるフッ化物は主にフッ化ナトリウムで その作用は ①歯の表面を強くする ②歯の再石灰化を促す ことです。 現在市販されている歯磨剤の90%以上にフッ化物がが入っていますが、年齢により推奨されている濃度が異なります。 6ヶ月(歯の萌出)~2歳 使用量 切った爪程度の少量 500~1,000ppm 仕上げみがき時に保護者が行う。 3~5歳 使用量 5mm以下 500~1,000ppm 就寝前が効果的。 歯みがき後5~10mlの水で1回程度洗口。 6~14歳 使用量 1cm程度 1,000ppm 就寝前が効果的。 歯みがき後10~15mlの水で1回程度洗口。 15歳以上~成人 使用量 1~2cm程度(約1g) 1,000~1,500ppm 同上 ※フッ化物濃度1,000~1,500ppmの歯みがき剤は6歳未満の子どもには使用を控えましょう。 厚生労働省 ライオン歯科衛生研究所 歯科医院で使用するフッ素濃度は9,000~123,000ppmです。 高濃度のフッ化物を使用できるのは歯科医師及び歯科衛生士のみですので、より むし歯予防に力を入れたいという方は歯科医院でのフッ化物塗布をオススメします。 水野歯科クリニック 院長 水野敦之

202306/01

フッ素及びフッ化物の違いについて
治療・予防歯科

みなさん、こんにちは水野歯科クリニックです。 6/4-10は、歯と口の健康週間  ということで、6/8(木)に歯と口の健康センターが開催されます。 当院院長も午前中に保育園でのフッ化物塗布、午後より特別養護老人ホームでの歯科検診を行います。 もうだいぶ昔のことになりますが、歯と口の健康週間という名称は 以前に1928年(昭和3年)から1938年(昭和13年)まで日本歯科医師会が、「6(む)4(し)」にちなんで6月4日に「虫歯予防デー」を実施していました。 その後1939年(昭和14年)から1941年(昭和16年)まで「護歯日」、1942年(昭和17年)に「健民ムシ歯予防運動」としていましたが、1943年から1947年までは中止されていました。 しかし、1949年(昭和24年)、これを復活させる形で「口腔衛生週間」が制定されました。1952年(昭和27年)に「口腔衛生強調運動」、1956年(昭和31年)に再度「口腔衛生週間」に名称を変更し、1958年(昭和33年)から2012年(平成24年)まで「歯の衛生週間」、そして2013年(平成25年)より「歯と口の健康週間」になっています。 ちなみに私は歯の衛生週間という名称で小学校の時に学校で歯磨き等をみんなでした記憶があります。 この歯と口の健康週間の目的は この週間は、歯と口の健康に関する正しい知識を国民に対して普及啓発するとともに、歯科疾患の予防に関する適切な習慣の定着を図り、併せてその早期発見及び早期治療等を徹底することにより歯の寿命を延ばし、もって国民の健康の保持増進に寄与することを目的とする。 だそうです。 日本歯科医師会 口の中はすべて自分で見ることはできません。 定期的に第三者のプロフェッショナル(歯科医師・歯科衛生士)にみてもらうことが重要です。 当院の治療方針の一つに 早期発見・早期治療 があります。 みなさん、これを機会に歯科医院に足を運んでみてはいかがでしょうか?