糖尿病と歯の話 糖尿病連携手帳 愛知県歯科医師会・愛知県医師会 令和5年度 医療連携講演会
こんにちは、水野歯科クリニックです。
2月11日(日曜日)愛知県歯科医師会・愛知県医師会 令和5年度 医療連携講演会がありました。
〈第1部〉「糖尿病と歯の話―歯周疾患を中心に―」
講師:刈谷豊田東病院診療部
部長 大川内 幸代 先生
大川内 幸代先生は、ペンネーム馬渕まり先生として戦国診察室を出版されていて、講演は縄文人や徳川家康公など歴史と糖尿病と歯を絡めて講演してくださりました。
戦国診察室 お館様も忍びの衆も歴女医が診てあげる♪ 単行本 – 2015/11/20 馬渕 まり (著, イラスト), 武将ジャパン (監修)
糖尿病連携手帳をお持ちの方は、歯医者に受診するときにもご持参ください。
糖尿病は深刻な問題であり、世界的にもその影響が顕著です。
2021年には、世界で5億3,700万⼈の糖尿病患者が推定されており、成⼈の10⼈に1⼈が糖尿病という計算になります。
日本でも、2016年の調査では糖尿病患者が1000万⼈、予備軍が1000万⼈で、合計2000万⼈に上ります。
また、⻭周病もまた深刻な問題であり、国⺠の多くが影響を受けています。
2016年の⻭科疾患実態調査によれば、45〜49歳では約50%、65歳〜74歳では約57%の人々が4mm以上の⻭周ポケットを有しています。
糖尿病は神経障害、網膜症、腎症などの合併症を引き起こすことがあり、⼤⾎管障害(⼼⾎管疾患、脳⾎管疾患)のリスクを増⼤させることが知られています。
しかし、それだけではありません。
糖尿病は⻭科領域の疾患にも深刻な影響を及ぼし、多くの研究で糖尿病が⻭周病の発症リスクを増⼤させ、⻭周病を悪化させることが報告されています。
また、HbA1c(⾎糖コントロールの指標)が⾼いほど⻭周病組織の悪化や⻭の喪失本数が多くなることも報告されています。
糖尿病と⻭周病はお互いに影響し合う関係にあります。
⻭周病の治療は糖尿病の⾎糖コントロールを改善し、合併症のリスクを減らすことができます。そのため、糖尿病患者には⻭周病治療が強く推奨されます。
⻭科治療における⾎糖コントロールや、糖尿病薬、1型糖尿病、2型糖尿病に分類された治療の注意点などに焦点を当て、
糖尿病の疫学、成因、合併症、最新の治療薬についても講演がありました。
執筆者
執筆者
水野歯科クリニック 院長
石川県の大学病院の口腔外科で研修を終えた後、予防歯科中心の一般歯科医院で長年勤務。愛知県では矯正専門歯科医院の一般歯科治療を担当し、現在愛知県北名古屋市で開業。産婦人科医院で妊産婦にお子さんに向けての講演を行うなど医科歯科連携を積極的に行っている。デジタル歯科をいち早く海外より取り入れ「一本でも一日でも歯を残す」ことをモットーに日々診療を続けている。
- 経歴
- 朝日大学歯学部卒 / 金沢医科大学歯科口腔外科研修 / 医療法人浜野歯科医院勤務 / マリンみなと歯科勤務 / 医療法人瑞翔会栄駅前矯正歯科クリニック勤務
- 保有資格
- 厚生労働省 歯科医師臨床研修指導歯科医 / 日本外傷歯学会認定医 / 歯科用CT認定医 / 臨床スポーツ歯科医 / 日本糖尿病協会登録歯科医 / 口育士 / 3Dプリンター活用技術検定 / 潜水士
- 所属学会
- 日本歯科医師会 / 愛知県歯科医師会 / 西春日井歯科医師会 / 日本口腔インプラント学会 / 日本外傷歯学会 / 日本スポーツ歯科医学会 / 日本デジタル歯科学会 / 日本臨床歯科CADCAM学会 / 日本口育協会 / ADI先進歯科画像研究会 / 日本ACLS協会