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予防歯科受診が透析患者の予後を改善する研究  心血管疾患と感染症が減少

予防歯科受診が透析患者の予後を改善する研究  心血管疾患と感染症が減少

こんにちは、
水野歯科クリニックです。

今日は、東京医科歯科大学大学院の三上理沙子氏らの研究をご紹介します。

透析患者が定期的に予防歯科を受診することで、心血管疾患や感染症の発生リスクが低減することが明らかになりました。
1万例を超える透析患者のデータを分析し、予防歯科受診の重要性を強調しています。

研究の概要
研究は、透析患者を以下の3つのグループに分けて行われました:

予防歯科グループ: 口の中の健康を保つために定期的に歯科を受診。
治療歯科グループ: 虫歯や歯周病の治療を受けた。
未受診グループ: 歯科を全く受診しなかった。

その結果、予防歯科を受診している患者は、心血管疾患(調整後ハザード比 0.86)や感染症(同 0.86)の発生リスクが未受診群に比べて有意に低いことが確認されました。
さらに、肺炎の発生リスクも予防歯科群(0.74)および歯科治療群(0.80)で低かったことが示されています。

予防歯科を受けた人たちは、歯科を受診しなかった人たちに比べて心臓病や感染症にかかるリスクが低いことがわかりました。
また、肺炎のリスクも予防歯科グループ治療歯科グループで低かったです

歯科受診の重要性
透析患者が定期的に予防歯科を受診することで、心臓病や感染症のリスクが減ることが分かりました。
透析患者は特に心臓病や感染症にかかりやすいため、口の中を清潔に保つことが重要です。

研究を行った医師たちは、透析患者に対して口の中のケアをしっかり行うように勧めています。

この研究結果は科学雑誌Sci Repに報告されています【2024; 14: 12372】
予防歯科受診が透析患者の予後を改善

定期的な歯科受診をおすすめします。
お気軽にご相談ください。

執筆者

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執筆者

水野 敦之

水野歯科クリニック 院長

石川県の大学病院の口腔外科で研修を終えた後、予防歯科中心の一般歯科医院で長年勤務。愛知県では矯正専門歯科医院の一般歯科治療を担当し、現在愛知県北名古屋市で開業。産婦人科医院で妊産婦にお子さんに向けての講演を行うなど医科歯科連携を積極的に行っている。デジタル歯科をいち早く海外より取り入れ「一本でも一日でも歯を残す」ことをモットーに日々診療を続けている。

経歴
朝日大学歯学部卒 / 金沢医科大学歯科口腔外科研修 / 医療法人浜野歯科医院勤務 / マリンみなと歯科勤務 / 医療法人瑞翔会栄駅前矯正歯科クリニック勤務
保有資格
厚生労働省 歯科医師臨床研修指導歯科医 / 日本外傷歯学会認定医 / 歯科用CT認定医 / 臨床スポーツ歯科医 / 日本糖尿病協会登録歯科医 / 口育士 / 3Dプリンター活用技術検定 / 潜水士
所属学会
日本歯科医師会 / 愛知県歯科医師会 / 西春日井歯科医師会 / 日本口腔インプラント学会 / 日本外傷歯学会 / 日本スポーツ歯科医学会 / 日本デジタル歯科学会 / 日本臨床歯科CADCAM学会 / 日本口育協会 / ADI先進歯科画像研究会 / 日本ACLS協会