スキューバダイビングと歯の治療
みなさん、こんにちは水野歯科クリニックです。
今回はスキューバダイビングについてお話をさせていただきます。
先日、知り合いの歯科医師に
「水野先生、ダイビングをよくされる方の治療で仮蓋がよく外れて困るけどなんでかな?」
という質問をされました。
ダイビングと歯の治療、一見何の関係もないように思われますが実は大きく関係しているのです。
ダイビング用語の一つに
スクイズ(スクイーズ)という言葉があります。
これは
潜降時に水圧が増すにつれて、圧力のバランスが取れないことにより生じる痛みや不快感のことです。
空間があるところで起こるので、スクイズが起こる場所は、耳・サイナス・マスク・まれに詰め物をした歯の内部となります。
つまり空間があると圧力の差が生まれて痛みや不快感が起こるというものです。
ダイビングの大手団体であるPADIの最初にとるライセンスのオープンウォーターで潜れる最大水深は18m、その次のアドバンスのライセンスで潜れる最大水深は30mです。
仮に15m潜ったとすると
その時の水圧は1.5気圧。
体にかかる圧力は大気圧の1気圧+水圧1.5気圧の計2.5気圧です。
30m潜った場合だと
体にかかる圧力は大気圧の1気圧+水圧3気圧の計4気圧にもなります。
Scuba Monsters 水深と圧力の関係 2023.06.01
それだけ体に負担がかかるので浮上する際は水深5mほどで安全停止ということをしないというわけです。
ここで先ほどの知り合いの歯科医師からの質問ですが
仮詰めということは治療中ということになります。
通常、歯の根の治療中は薬を詰めた後に外しやすくするために綿を置くことが多いです。
おそらくそれが原因と考えられたので完全密閉を行うか、仮詰めに穴をあける(ワイザーの仮封)
というやり方を説明しました。
このように、ちょっとしたことで違和感などを生じる可能性が多々あります。
もし、ダイビング中に違和感を覚えるようであれば一度歯科医院で検査をしていただいた方がよいです。
小さい虫歯のうちに見つけることができれば早期発見早期治療で
最小限の治療介入の予防歯科の真髄ともいえることができます。
当院ではいつでもご相談を承ります。
院長
水野敦之
潜水士
PADIアドバンスドオープンウォーターダイバー所持