喫煙者=高額納税者?
みなさん、こんにちは。
水野歯科クリニックです。
何のことかというと
喫煙
煙草のことですね。
歯周病治療を主戦場とする歯科医師にとっては切っても切り離せない嗜好品です。
なぜ喫煙と税金の関係の話があるかというと・・・
その昔、学生時代の大学でも勉強では喫煙している歯周病患者への指導はまず禁煙から。
歯周病の治りが悪い
歯を抜いたところの傷口の治り悪い
インプラントの生着率が悪い
とさんざん患者に負の感情を押し付けていました。
しかし、とある歯周病専門医の先生の講演会に行ったときにこういう風におっしゃられました。
「皆さん歯科医療従事者で講演会に来ていただいている方は意識が高い方です。たぶん喫煙している方は少ないと思います。
そんなあなたたちから見たら喫煙している患者さんはなぜタバコがやめられないか理解ができないと思います。
そこでこう考えてください。
喫煙している人たちはひと箱500円(当時)を毎回支出しているんです。
毎日吸う人は15000円。これの半分が税金なので7500円。
年間で8万円以上も吸っていない人よりも税金を納めているんですよ!
なので
喫煙者=高額納税者
ということを覚えていてください。
煙草が体に悪い!
なんてことは喫煙者は百も承知です。
やめられないから今も吸っているんです。
みなさんが口を酸っぱくして言ってもやめられないものはしょうがないんですよ。」
というお話をされていて、自分もハッと気づきました
注釈 現在(2023.4/17)ではひと箱580円(定価)の煙草に対して357.6円の税金がかかっています。
煙草の代金の61.7%が税金。
しかもこの税金に消費税がかかるという不思議な日本の仕組み。
確かにこれだけTVや街中でもいたるところで
喫煙は健康に害を及ぼします。
と広告されており周知しています。
なのに吸っているということはそういうことなんだな。
と教えていただきました。
また、地域性やコミュニティもあると思います。
みなさんは成人の喫煙率(20歳以降でタバコを吸っている人の割合)はどのくらいだと思われますか?
国立がん研究センターによると
全国 成人喫煙率
男性27.1%、女性7.6%、男女計16.7%(2019年)。
男性では、1995年以降20歳~60歳代で減少傾向。
女性では、2004年以降ゆるやかな減少傾向。20歳~40歳代では近年減少傾向だが、50歳代では増加傾向。
こちらの元データ
令和元年 国民健康調査
令和二年と三年はコロナで中止
ただ、これも喫煙者の方たちの環境や地域性があるようです。
以前勤務していた複数の歯科医院で喫煙者の方にお話をした際
「日本の喫煙率はどのくらいかわかりますか?」
と質問をしたところ
とある地区では
50-60%
と答え
また別の地区では
10-20%
と答えられました。
50-60%と答えた方に
現在は17-8%ですよ
とお伝えしたところびっくりされて
「私の周りの人たちほとんど吸っているから半分以上の人が吸っていると思っていた!」
こうお話しされていました。
喫煙に対する地域性みたいなものがあるのだと改めて実感しました。
ちなみにわたしは喫煙はしませんが、晩酌はするので飲酒のデータも調べてみました。
生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合は、男性 14.9%、女性 9.1%である。
平成 22 年からの推移でみると、男性では有意な増減はなく、女性では有意に増加している。
年齢階級別にみると、その割合は男性では 40 歳代、女性では 50 歳代が最も高く、それぞれ
21.0%、16.8%である。
※「生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者」とは、1日当たりの純アルコール摂取量が男性で 40g 以上、女性 20g 以上
の者とし、以下の方法で算出。
男性:「毎日×2合以上」+「週5~6日×2合以上」+「週3~4日×3合以上」+「週1~2日×5合以上」+「月1~3日×5合以上」
女性:「毎日×1合以上」+「週5~6日×1合以上」+「週3~4日×1合以上」+「週1~2日×3合以上」+「月1~3日×5合以上」
清酒1合(180ml)は、次の量にほぼ相当する。
ビール・発泡酒中瓶1本(約 500ml)、焼酎 20 度(135ml)、焼酎 25 度(110ml)、焼酎 30 度(80ml)、チュウハイ 7 度(350ml)、ウィスキーダブ
ル1杯(60ml)、ワイン2杯(240ml)
だそうです。
全身的なことを考えると適正量以上の飲酒も良くありません。
喫煙も飲酒も嗜好品です。
摂取しないといけないものではありません。
節度を持って楽しみましょう。
水野歯科クリニック
院長
水野敦之